波長

020322


波長が合うと、同期し共鳴するのが、自然の摂理である。

先日、テレビでフジ子・ヘミングという人のピアノの演奏を初めて聴いた時に、鳥肌が立つほど共鳴した。
私は、このヘミングという女性は、いま日本でとても人気があるピアニストであることを全く知らなかった。しかし、ほんの2,3分間の短い演奏であったにもかかわらず、いままでのクラシック音楽では感じたことの無い素晴らしい感動を覚えた。まさにその曲が私の心の中に入り込んで、大きく共鳴した。

翌日、早速あちこちの店でCDを探し回ったが、どこも売り切れで、初めてその人気の高さを知った。手に入りそうもないので、店で注文をしておいたが、それでも早く聞きたくてたまらず会社の帰りに中古の店でやっと見つけた。

以前の雑感でも書いたが、画家の安野光雅の原画を初めて見た時にも背筋がぞくぞくした。この時も、私の体は絵の素晴らしさに共鳴していたのだと思う。

自然界の物質は、全てその物質特有の固有振動数というものがあるが、人間もその人特有の振動数(すなわち波長)を持っていると思う。
だからこそ、人それぞれ感じることや興味の持ち方が皆違うのである。

自分と相手の波長が近ければ、良い人間関係になれるだろうし、波長が合わないと、不協和音となって一緒にいるとお互いに疲れてしまう。また、波長が合わなくても、適当なズレの場合は、時には打ち消し合ったりもするが、お互いに強め合い、何とか上手くやって行けるのだと思う。

しかし、この波長は安定度が悪く、いつも一定ではない。その日によっても波長は変化し、また加齢と共に波長がずれて行き、いままで若い時には何の興味を持たなかったものに興味を覚えたり、好きになったりする。ある時突然ある人を好きになったりするのも、波長のズレのせいかも知れない。

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