030209
新聞を見ていて、腹立たしいことがあった。それはゴッホの絵についてであった。
その新聞によれば、最初その絵は作者不詳ということで、1万円位からオークションが始まる予定だったということだ。ところが、鑑定の結果、ゴッホの絵だと分かると、いきなり数百万円からオークションが始まり、結局6千6百万円で落札されたとの記事である。 作者が誰かによって、その価格が大きく違うというのは、分からなくもないが、1万円でオークションを始める予定の絵が最終的に6千6百万円というのは、誰が考えてもおかしいと思う。この6千6百万円というのは、その絵の素晴らしさに付いた値段ではなく、ゴッホという名前に付いた値段だということである。1万円からオークションを始めようとした関係者は美術的価値としては数万円しかないと判定したのである。 作者の名前が分かった途端、価格のみならず、絵そのものに対する評価が変わることは、往々にしてある話であるが、それはまさに芸術に対する感性が無いことを露呈するようなものではないだろうか。 色々な価値観があるとは思うが、少なくとも回りの無節操な意見にとらわれる事のない、自分の価値観を持つことが大切だと思う。 私は素晴らしい絵や写真などを見ても、それが誰の作品かということは、ほとんど気にしない。単にその作品が自分にとって、心を打つものであるかどうか、自分の好みに合うかどうかで、評価する。、映画でも同様で、監督が誰かとか、その俳優は誰かとかはどうでもよく、内容が自分にとって良ければそれでいい。だから、自慢にはならないが、有名な人でも名前を知らない事が多い。 私が何かを買う時は、まずそのものが自分にとって本当に価値があるのか、その価格に見合うものかどうかを考えてから買う。その結果、たまたまブランド品であることも有るかもしれないが、ほとんどはブランド品ではない。 女性用バッグなどの偽ブランド品が出回る事が時折話題になる。勿論、騙して偽物を買わせる人間が一番悪いのだが、私は、買う人がもっと自分の価値観を持ち、自分が本当にいいと思うものを買えばいいのに、といつも思ってしまう。 |