理科離れ


昨日、相模原市内にある宇宙科学研究所(宇宙研)の一般公開があったので行って来た。毎年夏休み時期の日曜日に、一般市民とくに子供の見学者を期待して行われている。

公開の内容は、科学衛星やその打ち上げ用のロケットなどの開発研究成果である。宇宙人から発信された信号を受信しようとする試みや宇宙の起源を探る研究などもあり、興味深いものが多い。
私は、仕事に全く無関係でもなかったのと、宇宙への興味から10年位前から行き始め毎年欠かした事がない。

10時開場であったが、10時過ぎには小学生位の子供達が列を作って宇宙研へ向かう姿が見られた。会場内では、ペットボトルを利用した水ロケットを作り飛距離を競ったり、スタンプラリーなども行われ、子供達に興味を抱かせるべく、苦労をされている。
実際に触ったり、動かす様なコーナーでは、子供達の輪が出来ていて、大人はなかなか近づけない。

会場を回っていて印象的だったのは、展示会場のあちこちに配置されている若い研究者達の説明態度であった。難しいことを出来るだけ子供や素人にもわかりやすく説明をしようとする真摯な態度と、非常に穏やかな性格を感じさせる喋り方であった。質問に答えてくれる姿は、非常にほほえましい感じさえする。
次のブースへ移動するときには、説明へのお礼を言い、頑張って下さいと言わずにはいられない。

真理を追究しようとする人は、事実を謙虚に受け止めなければいけない。このような研究における謙虚さが、人間の傲慢さ、横柄さを取り除いてくれるのではないだろうか。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と言う言葉は、研究者に似合っているといつも思う。

子供達の理科離れが進んでいると言われており、理科系の私としては非常に残念であるが、少なくとも昨日の見学風景を見ていると、科学に興味をもつ子供はたくさんいる。子供に興味を持たせる工夫を怠ると見向きもされないかも知れないが、このような若い研究者達の謙虚で地道な努力があれば、まだまだ日本は大丈夫であると思う。

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