山の遭難で亡くなった方の通夜があり、参列して来た。
記帳を済ませた後、焼香の為に、長い列に並んだ。
焼香をするまでに、20分以上かかった。
あまりに沢山の方が来られているので、係りの方が、心を込めて
お焼香は1回でお願いしますと言っていた。
会社勤めをしている男性の方ならいざ知らず、女性の葬儀にこれだけの
参列者が集まるのも少ないのではないだろうか。
やはりそれだけ亡くなった方の人望が、沢山の人を惹きつけた
のだろう。 山の会では教育部長も務められ、沢山の方々に山を
教えて来られたのだと思う。
別室には、彼女の遺品である山道具や山での沢山の写真が並べられていた。
彼女が如何に山に惚れ込んでいたのかを偲ばせるには十分な展示で
あった。
沢山の山仲間に見守られながら、あの世へ旅立った彼女は幸せだった
のかも知れない。
同じ死ぬなら、街中の病院などではなく、山で、というのは山を愛するものの
心の底にはあると思う。だから、彼女の息子さんも言われていたように、
彼女に取っては、本望だっただろうと思う。
お別れに、最後に見たお棺の中の彼女の顔のそばには、ヨン様の大きな写真が
並べて置かれていた。
何か、ほのぼのとして、安心して見送ることが出来たような気がした。
あらためて、心からご冥福をお祈りします。