素晴らしい贈り物 (03/07/18)



幸運の女神から素晴らしいプレゼントを頂いた。

私が、以前から一度は聞きたいと思っていたフジ子・ヘミングのコンサートに、まさに私の誕生日のその日に聴きに行くことが出来た。

この日のコンサートは、オーケストラとの共演であったが、アンコールで、リストのラ・カンパネラを弾きますとフジ子・ヘミングが言った時は、思わずやったと口走ってしまった。ソロでの演奏だった。

弾き始めると同時に、背中がぞくぞくし鳥肌が立って来た。まさに、安野光雅の絵を初めて間近に鑑賞したときと同じだった。
いつかは生で聞きたいと思っていた、フジ子・ヘミングのその曲が目の前で演奏されている。しかもフジ子・ヘミングの顔がはっきりと見える距離で。

フジ子・ヘミングの演奏は、いつ聴いてもいつも私の心の奥深くまで入り込んでくる。
今日は、フジ子・ヘミングと同じ空間を共有でき、その素晴らしい演奏がその共有された空気の振動を通じて、私の体に伝わって来た。どこが、他のピアニストと違うのか、私にははっきりと説明は出来ないが、その違いは、肌で、体で感じることが出来る。
他のピアニストの演奏で同じ曲を聴き比べてみたこともあったが、やはり何かが違う。

フジ子・ヘミングのアンコールの演奏が終わり、退場する際に、観客席からフジ子・ヘミングに声がかかった。彼女もにこやかに手を振っていた。クラシックコンサートでは、珍しいことではないだろうか。それほど彼女の人気の高さを物語っているように思われた。

彼女の聴力が完全に失われてしまわないかとても気掛かりであるが、これからもまだまだ健康で末永く私たち聴衆に音楽の素晴らしさを伝えて欲しいと思う。

今日の素晴らしい誕生日プレゼントを与えてくれた、素敵な女神に心から感謝したい。

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