(02/09/18)



先日、朝の電車の中で私の前に座っていた女子高生が単行本を読んでいた。それは図書館から借りた本のようであった。その女子高生の降りる駅が近づくと、今まで読んでいたその本を閉じ、おもむろに通学カバンの中からビニール袋を取り出し、その袋の中に丁寧にその本を入れ、かばんに仕舞っていた。

私は、今時なんて本を大切にする女子高生だろうと感心してしまった。私自身は、つい最近大雨が降った際に、カバンの外側に入れておいた文庫本を雨でぐっしょりと濡らしてしまったばかりだったので、「そうか、このように本をビニールに入れてから、カバンに入れるという方法があったのだ。」と気がついた。
幸か不幸か、私の文庫本は、図書館から借りた本ではなく、自分の本であった。

ビニール袋に本を入れることによって、雨対策は勿論のこと、カバンの中で本の表紙が折れたりすることもなく、最後まできれいなままで本を読み終えることが出来る。公共の本であれば、なおさら大切な心がけだと思う。

図書館で本を借りると、時々あちこちにボールペンや蛍光ペンで書きこみがされている本や、ひどいのになると、切りぬき、更にはページ丸ごと抜かれている本にお目にかかることがある。 とても残念で悲しいことである。

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