父娘 (01/06/10)



ずっと昔に、父と娘が仲良く二人で街へ出かけ、娘が父の腕に手を回し、娘にねだられて父がデパートで何かを買ってあげるという場面をテレビで何度か見たことがあった。自分もいつかはそんな時が来るのかなと思ったりしたことがあったが、腕に手を回すまでは行かないが、今日その時が来たようだ。

娘が、20歳の誕生日を迎え、MDを買ってやることになっていたので、二人で車に乗って街へ出かけた。ちょっと離れた駐車場に車を入れ、二人で並んで話をしながら、電気店に向かった。電気店の中でも、MDだけでなく、今年の夏に娘が旅行に行くというので、旅行先で必要な変圧器、ヘアドライヤー、旅行用トランクなども一緒に見て回った。
とりあえず、今日はMDだけを買ったが、そのあと別の店にもトランクを見に行った。 お腹もすいたので、同じ建物内にある店で私はアイスを、娘はクレープを頼み、ひとつのアイスを二人で食べた。
娘とは、ごく普通の会話が出来るようになり、大人になったものだなあと思うと同時に、時の流れの速さをつくづくと感じた。

今日は、夕方にはにわか雨が降るかも知れないとの天気予報であったが、空は明るかったので、私は傘は持たずに家を出たが、娘は傘を持ってきていた。 娘に、もし雨が降ったら、一緒に傘に入れてくれと言うと、「とんでもない。絶対イヤだ。」というので、「一緒に買い物に来ているのになぜだ」と言うと「今日はMDを買ってもらうから、一緒に来ているだけなんだから」と。

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